2012年10月01日

旧万世橋駅前看板建築見学(その1)

去る9月12日、神田須田町の看板建築を拝見しに、たった3日間だけ内部公開の催しの最終日朝から出かけて来ました。
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街を歩いていてこうした素敵な古い建物に眼を惹かれても、内部まで拝見出来る機会はなかなかないですよね。

例によって写真を100枚以上撮ったもので、その整理になかなか踏み切れずにいたら、記事を載せるのがすっかり遅くなってしまいました〜。先日始めたFacebook「ねこの隠れ処 ねこのかくれが」に全122枚を「柏山邸内覧会」というアルバムとして載せましたので、ここではその一部のみ掲載して、ざざっとご案内いたします。

当日は素晴らしい青空で、しかもあんまり暑くもなく、絶好のお出掛け日和。
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それにしても、ここにかつて万世橋駅があったとか、その遺構を利用した交通博物館があったとかいうことが最早全く想像出来ないような再開発がなされていて、久々に訪れてがっくり。
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右手に見えるのが目指す柏山(かしやま)邸。

関東大震災後の復興建築として次々建てられた、こうした銅鈑葺き建築物もここ十数年でめっきり少なくなってしまいましたが、
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マンサード屋根を持つ3階建ては、少なくとも都内ではこれが最後の一棟だそうです。今月中には取り壊し予定だそうですが…何とかならないものですかねぇ。小金井の江戸東京たてもの園には、もう余地がないとのことで移築を断わられたそうですが…。

周りには既に高層建築群がびっちり建て込んでいます。昔、交通博物館に通った頃の面影はもうありません。
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猫も入り込めないようなお隣との隙間。
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この日の晩には「お別れ会」が開かれたようでした。
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このポスターの絵がとっても好い感じ。1枚欲しいくらいでした。

開場よりもだいぶ早く着いてしまったので、人が少ないうちに外観をとっくりと観察。
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ここにはかつて看板が取り付けられていたのではないかしらん。

銅鈑はファサードが一文字張り、戸袋は網代張りになっています。葺き方は他にも菱・七宝・麻の葉など色々あるのですが、現在では一文字と菱以外は拵えられる職人が絶えてしまっているようです。
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開場前、上階ではケーブルTV局の取材が行われていたようでした。
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終わって出て来られ、飲料自販機のメインテナンスの方と談笑なさる主の柏山さま。この後展示会場内で少々お話もさせていただきましたが、とても上品で快活な感じのご婦人でした。

次第に増えて来る通勤の方々に混じって観覧に来られたらしい人々が辺りにたむろするようになり、だんだん写真が撮りづらくなって来たな…と思っていたら、そろそろ開場のようです。
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1階の旧店舗スペースでは、この建物についてのこれまでの研究成果のパネルが展示してあって、これがなかなか興味深いものだったのですが、著作権の関係で撮影禁止でした。いずれ何らかのカタチに纏めてくださると好いですね。
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内覧会参加予約をしてから、お呼びがかかるまでパネル展示を拝見。戦後GHQの圧力で取り払われた広瀬中佐像が、その後行方不明になっていたとは知りませんでした〜。

そして暫くしてから、予約順に最初の10人ほどが集められて、店の脇の狭い入口から内部へ。
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服裏地の商いをなさっていたとかで、当時の道具が色々展示してありました。
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道具屋としても興味を惹かれる品々でした☆
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3階建てとはいえそれほど広くはない空間に、最盛期は使用人含め9人もお暮らしだったそうで、そのうちお一人はこの作業台で寐ていらしたのだとか。

その上には、ここにももう一人転がれそうな大きな吊り棚。
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電源盤は、取り付け板以外は新しいものに取り換えられていました。

上がり框を上がって緩い段を左に回り込むと、まず面喰らうのがこの急階段。
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一気に3階まで視界に跳び込んで来るので、実に迫力があります。

2階に上がると左手はお勝手。
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そして右手には畳敷きの居間があります。
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階段の上には、かつて住人が多かった頃に使われていた造り付けの蠅帳がありました。
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配膳の際には、その下の手摺上に据え付けられた板の上に食器を並べて出し入れなさっていたそうです。当時の活気が目に見えるようですね。

お連れ合いに先立たれ、お子さま方も独立されてお独りになった近年は、この小さな卓でお食事なさっていたのでしょうね。
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床が黒光りしていて素敵です。
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この艶と色の深み、やはり木材が上等だからだと思います。

食器棚もいいですねぇ。昭和の中頃のものでしょうか。
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扉に嵌まっているのがどれもモール硝子です。

次回は、通りに面した居間の中をご案内いたします。
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posted by くろねこ at 17:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日誌?
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